フジコ・ヘミングのピアノコンサート
2006年 05月 23日
ちょっと前にフジコ・ヘミングさんのコンサートへ行きました。
錦糸町にあるすみだトリフォニーホール。せっかくだから錦糸町でお昼食べてぶらぶらしてから・・・なんて計画してたのにぎりぎりまで仕事が終わらなくて結局10分くらい遅刻。ホールを入ったところでスピーカーからピアノの音がもう流れてる。会場案内の女性に誘導されて、席から近い扉の前で息を殺して演奏が終わるのを待った。2部構成になっていて、1部はフジコさんが何曲も弾き続けることになっているらしく、「曲の合間に入っていただいて、休憩までその場で立ち見になります。」とひそひそ声で言われた。
3曲目(だったか?)が終わったところですーっと扉が開きさっと暗い場内に入った。真っ暗なホールの真ん中にグランドピアノが一台。ここにだけスポットライトが当たっていてフジコさんらしき人がまたすぐ演奏をはじめた。(3階席だからちっちゃくしか見えないの。)このホールは舞台の正面だけじゃなく、右と左側にも舞台に向かってなだらかな下り坂になっていてそこにも席がある。(どうせならそこでみたかったなあ。)3方向から舞台を見ることができるので、真ん中にちっちゃいピアニストの人形がついてる宝石箱をお客さんがみんなで大事そうにのぞきこんでるみたい。
休憩時間になり、自分の席に座って第2部がはじまった。ここからは進行役の頼近美津子さんが同時代に活躍したリストとショパンの生い立ちや性格を比較して紹介。(へぇ!なるほどなあ〜!)とその頃の二人の作曲家の様子を思いうかべながらフジコさんのピアノをきく。目は手もとに釘付け。(といってもちっこく見えるだけなのだけど・・・)すごいなあ。
しかし、しかし!!残念なことにどこからともなく漂う餃子を食べたあとの強烈な口臭が・・・(隣のおしゃべり母娘と思われます)真っ暗な中嗅覚は冴えてくるもので、つらくてつらくて手ぬぐいをだしてマスク代わりに鼻と口を押さえていたけれどそれでも駄目。(もしかして私?!)とこっそり確認したほどだ。「せっかく錦糸町に来たんだから餃子でも食べようよ〜」なんて言ってどこかで食べてきたんだろうなあ。私なんて時間がなかったから朝とおんなじ食パン一枚焼いて食べただけだよ・・・なんて。 あ、せっかくのコンサートなのに何考えてるんだ?!私。
それでもピアノに神経を集中しなんとかのりきった。(これなら立ち見のままの方がよかったよ・・・うえ〜ん!)
フジコさんの10本の指からあふれでる激しいリストの音色、やさしく繊細なショパンの音色。最後のアンコールのところではじめてフジコさんの声を聞いて(あぁあそこにいるのはホントにフジコさんなんだ・・)とわかってぞくっとした。(笑)
ピアノリサイタルというのは初めて行ったんだけれど、一曲弾くごとに立って舞台の袖にひっこむところが面白かった。頼近さんもピアノが終わるとカツカツカツと舞台にヒールの音を響かせて登場して話し、またカツカツカツと音を立てて舞台の袖に引っ込む。リサイタルというのはリストがはじめたからついた名前なんだそうです。それまで一人だけのコンサートはなくて、色んな人が色んな演奏をするものだったとか。←頼近さんのお話より。
by masulira
| 2006-05-23 17:29
| 暮らしのひとこま